同じ仕事を任せたとき、AIによって結果はどれくらい変わるのか。気になったことはありませんか?発表資料に並ぶベンチマークの92点、88点といった数字を眺めても、何がどう違うのかさっぱり掴めないんですよね。そこで数字ではなく、ChatGPT 5.6Claude Fable 5にまったく同じプロンプトを投げて、成果物だけで勝負をつけてみました。

都市をまるごと3Dで建て、RPGをゼロから作り、デザインツールを複製し、提案書とWebサイトまで。最後まで読めば、2つのモデルのうち自分の作業に合うほうを選ぶ基準がはっきりします。成果物で決める5ラウンド、さっそく始めます。

忙しい人はここだけ — 3行まとめ

  • 成果物のクオリティだけで見ると、5ラウンドの大半でClaude Fable 5が上でした。
  • ChatGPT 5.6は思わず唸るほどではないものの、たいていのことは無難に、そしてはるかに安くこなしてくれます。
  • ビジュアル化が肝になる複雑な作業ならClaude、毎日繰り返す実務ならChatGPTが現実的な選択です。

リングに上がった2人、条件は一発勝負

本格的な対決の前に、2人の設定を揃えておきます。この比較は2026年7月時点、両者に同じプロンプトを一度だけ投げるという条件で行いました。

項目ChatGPT 5.6Claude Fable 5
詳細モデルSol(ソル)・Terra(テラ)・Luna(ルナ)の3種Fable 5
今回の設定Solを選択、パフォーマンスオプションはウルトラウルトラコードモード

ChatGPT 5.6はSol・Terra・Lunaの3系統に分かれています。最高性能を引き出すため、今回はSol+ウルトラの組み合わせを持ち出し、ClaudeはFable 5+ウルトラコードで応じました。

同じプロンプト、同じ一度きりのチャンス。それでは照明をリングの上へ。

暗いステージの上で向かい合って立つ2体の近未来型ロボットのシルエット、一方は暖かいオレンジの照明、もう一方は冷たい青の照明を浴びている、正面から

第1ラウンド — 街をまるごと3Dで建てたら、どっちが本物か

最初のミッションは「ソウルをそのまま3Dモデルで作れ」。きれいな絵を描かせるのが目的ではありません。本当の試験台は自然現象と物理法則をどれだけ本物らしく再現できるかでした。

ChatGPT 5.6は、それらしいソウルを出力してきました。

  • 中央に漢江(ハンガン/ソウルを東西に貫く大河)と夜景、マンションやビル群、漢江に架かる橋の数々
  • Nソウルタワーとロッテワールドタワー、都心の高層エリア
  • 交通量を0から最大まで調整、昼夜の切り替え、雨・雪のエフェクト

問題はハイライトの物理検証アリーナでした。地震の規模を最大まで上げても揺れはごくわずか。高いところから落としたボールも、本来ならドスンと沈み込むはずなのに、その手応えがないんです。

「思っていたほどではないな」という印象が残りました。

一方のClaude Fable 5は、そもそも作り込みの質が違いました。オルゴールの箱庭のように精緻な街の中に、Nソウルタワー・漢江・63ビル・ロッテワールドタワーはもちろん、走る車や電車、景福宮(キョンボックン/朝鮮王朝の王宮)まで詰め込んでいます。ここまでは似たり寄ったりでしたが、物理アリーナで一気に差が開きました。

  • ボールは自然に弾み、箱はボールと違って角から転がり落ちる
  • 風速・風向に応じて飛ぶ方向が正確に反映される
  • マグニチュード5.5と9.0の破壊力の違い、隕石落下という災害、段階的な復興まで
  • 画面右側で高さ・実測値・速度をリアルタイムに計算

第1ラウンドの勝者:Claude Fable 5。物理法則をディテールひとつまで作り込んだ点が勝負を分けました。

第2ラウンド — プロンプト一発でRPGは動くのか

続いてのお題は「韓国ファンタジーRPGをゼロから作れ」。韓国の伝承や王朝ものの世界観をベースにしたRPG、という想定です。ストーリー展開、クエスト、戦闘、ボス戦まで実際に動かないといけない、かなりの高難度課題です。

ChatGPT 5.6は出だしこそ悪くなかったのに、すぐに崩れていきました。キャラクターは雑で攻撃モーションもぎこちなく、何よりセリフから「いかにもAIが書いた感じ」が漂うんです。

モンスターのデザインは投げやり、難易度バランスも噛み合わず、最後まで見るのがつらいレベルでした。

ところがClaude Fable 5は、「赤の盟約」というタイトルのゲームを出してきました。

  • プロローグから本物のRPGらしい空気感
  • 自然なクエストのセリフと、明らかに質の高いゲーム内テキスト
  • レベルアップ、仲間の加入、スキル、ボス戦
  • 最初にクエストを与えてきた騎士団長が裏切り者だった、というどんでん返しの結末まで

これを全部、プロンプトたった一度で作り上げました。

第2ラウンドの勝者:Claude Fable 5。文章力の差が、そのままゲームシナリオの差になって表れました。

ファンタジーRPGの一場面、赤いマントをまとった騎士とパーティーが暗い古城の前に立ち、画面の隅にレベルとスキルのUIが表示されている、ゲーム内視点で

第3ラウンド — Canvaをワンクリックで複製できるか

3つ目は「Canvaのようなデザインサービスをワンクリックで複製しろ」。見た目を真似るだけでは点にならず、エディタが実際に動くことが採点条件です。

両者とも基礎はしっかりしていました。画像アップロード、回転・透明度の調整、四角形・円・矢印などの要素、5種類のフォント、枠線・影のエフェクト、完成データのダウンロードまで一通り動きます。

差がついたのはただ1か所、AI生成機能でした。

  • ChatGPT 5.6:「AI生成」が実質、サンプルデザインのテキストを差し替えるだけのレベル。そこを除けば文句なしでした。
  • Claude Fable 5:第一印象はほぼ瓜二つですが、要素やスタイルの項目が少し多く、ブランドキットと背景除去まで対応。

2つの結果を並べて長いこと見比べましたが、優劣をつけるのが本当に難しかったです。

第3ラウンド:引き分け。完成度が鏡写しのように似ていました。

第4ラウンド — コーヒーブランドの提案書、きれいなのはどっち

短めに「コーヒーブランドの提案書をパワポで作れ」も試してみました。

片方の成果物はデザインが整っていて、改行・レイアウト・画像の収まりも安定。店舗のフロアプラン(レイアウト図)に、ブランドカラーを踏まえた家具・壁・インテリアのコンセプトまで落とし込んでいました。

もう片方(「LS Roastery」)は整列がわずかに揺れ、フォントもデフォルトのまま。フォント・字間・画像の使い方で、一歩ずつ物足りない印象でした。

きれいだった1番がClaude、惜しかった2番がChatGPTです。

第4ラウンド優勢:Claude Fable 5。提案書の完成度で半歩リードしました。

ノートパソコンの画面に映したコーヒーブランドの提案書スライド、店舗のフロアプランとブランドカラーの家具・インテリアコンセプトが載っている、机の上のノートパソコンを斜めから

第5ラウンド — 思わず目が止まるWebサイト

最後は「人の視線を止める、感覚的なWebサイト」。ここは両方とも見事でした。

  • ChatGPT 5.6:太陽系を描いたような画面。スクロールするほど宇宙が広がり、円をクリックしたり長押ししたりすると、「ラストシグナル」という映画の予告編のような演出が現れます。
  • Claude Fable 5:「星の水深」という作品。マウスを追って動き、クリックすると波紋のように広がり、スクロールに合わせて物語が流れます。クラゲや巨大なクジラに出会う、静かな幻想童話のような雰囲気——華やかなのに、どこまでも静かでした。

第5ラウンド:好みの領域。華やかな演出か、静かな物語か。どちらも合格点です。

最終スコアボードで整理すると

ラウンドミッション結果
1都市の3Dモデル+物理検証Claudeの勝ち
2オリジナルRPGゲームClaudeの勝ち
3Canvaクローン引き分け
4コーヒーブランドの提案書Claude優勢
5インタラクティブWebサイト好み次第

で、結局どっちを選べばいい?

成果物のクオリティだけで1つ選ぶなら、答えはClaude Fable 5です。とくに重要で複雑な仕事、ビジュアル化が肝になる作業では、ざっくり伝えても欲しいものを正確に持ってくる強さがありました。

ただ、決定的な弱点が一つあります。今回の対決で2つのモデルの利用料金を並べてみると、Claudeのほうが体感でおよそ2倍高いんです。毎日何度も回す作業なら、この差は1か月単位でずっしり効いてきます。

逆にChatGPT 5.6 Solは、典型的なコスパ型。唸るほどの感動まではなくても、たいていのことは無難にこなしてくれて、何より財布に優しいんですよね。

こんな人にはおすすめ
クオリティ・ビジュアル化が最優先、予算はその次Claude Fable 5
コスパ重視で毎日使う実務パートナーがほしいChatGPT 5.6(Sol)

判断基準は、一行に絞れます。2倍の価格差を飲み込んでまで、その成果物が自分に必要か。いま取りかかろうとしている作業を、この質問にそのまま当てはめてみてください。

みなさんなら、この2つのモデル、どちらに財布を開きますか?