満員電車でつり革につかまったまま、背中を汗が流れていったあの5分。ハンディファンをつけても涼しいのは顔の前30cmだけで、首の後ろは相変わらず暑い。そんな経験があるなら、ルーメナー(LUMENA)FAN PRO MAX Vが気になってくるのは当然だと思います。
ただ、これはよくある直径5〜6cmのミニファンではありません。ファン直径が14.5cmあります。卓上サーキュレーターを折りたたんで手に持てるようにした製品、と言ったほうが近いです。
だから問いが変わります。「涼しいのか」ではなく「このサイズを毎日持ち歩けるのか」。そこが本当の関門なんですよね。商品ページに書かれていない騒音・かさばり・実売価格まで全部出して、まずその関門から突破していきます。
30秒まとめ — この扇風機、誰が買うと得をする?
- 風量と持続時間は、このクラスならほぼ文句なし。4,800mAhで最弱モード時に最大22時間、風の最大到達距離は10mと公式に表記されています。
- その代わり本体285g、縦26.1cm。小さめのショルダーバッグには入らないと考えたほうが安全です。
- 韓国メーカーの希望小売価格は61,900ウォン(約6,800円)ですが、実売はそれよりはっきり安く出ています。定価そのままで買うのは避けたいところ。
ハンディファンというには大きい。これは結局どんな製品?
前モデルFAN PRO MAXの後継として出た新型です。販売店によって登録日や発売時期の表記がバラバラなので、ここで発売日を断定はしません。
5枚羽根、ファンサイズ14.5cm、BLDCモーター、消費電力6W。数字だけ見るとミニファンではなく、小型サーキュレーターの系譜です。
キモは180度の折りたたみ構造。スタンドを開けば卓上扇風機、たためばハンドルになります。ルーメナーはこのヒンジ部にソフトクロージング設計を採用したと説明しています。引っかかってガクッと落ちず、好きな角度で止まるという意味ですね。
前面ディスプレイには風量段階とバッテリー残量が数字で出ます。地味な機能に見えます? でも夏フェスの真ん中で「あと何時間もつのか」を知っているかどうかは、体感としてまったく違います。
充電はUSB-C。定格入力は5V 2.1A/9V 1.2Aと表記されています。つまり普段使っているスマホの充電器をそのまま差せるということ。旅行のとき充電器を1個減らせます。
前モデルと並べると、何が変わった?
数字を並べただけではピンとこないので、旧モデルと横に並べてみました。2026年7月末時点で公開されているメーカー・販売店の表記を整理したものです。
| 項目 | FAN PRO MAX V(新型) | FAN PRO MAX(前モデル) |
|---|---|---|
| バッテリー | リチウムイオン 4,800mAh(17.7Wh)、LG製セル | 4,800mAh |
| 最大使用時間 | 最大22時間(最強モードで約3時間) | 最大24時間と表記 |
| 風量段階 | 5段階 | 4段階 |
| モーター/消費電力 | BLDC/6W | BLDC |
| ファンサイズ/羽根 | 14.5cm/5枚 | 同クラスのビッグファン |
| 風の最大到達距離 | 10m | — |
| サイズ/重さ | 145 × 45 × 261mm/285g(クレードル58g) | ほぼ同等 |
| 充電 | USB-C、約2時間30分 | USB-C+充電クレードル |
| カラー | クリームホワイト/ダスティグリーン/ダークグレー | — |
表を縦に眺めて引っかかるのは、実は1マスだけです。風量が4段階から5段階に細分化されたこと。最大風速そのものが大きく上がったという根拠は、公開資料からは見つけられませんでした。
表記上の使用時間は、むしろ24時間から22時間に減っています。段階が増えて最弱モードの設定が変わった結果である可能性が高いのですが、メーカーの説明がないので推測以上のことは言えません。
まとめるとこうです。旧モデルをすでに使っているなら、買い替える理由は弱い。逆に、これから初めて買う人があえて旧モデルを選ぶ理由もありません。
レビューで繰り返される褒め言葉は、結局3つ
ひとつ目は風の到達距離。ミニファンは顔にぴったり近づけないと涼しくないですよね。でもこれはファン直径14.5cmなので、風の塊自体が大きいんです。
公式表記でも最大到達距離10m。レビューで一番よく見かけるのが「ファンが大きいぶん、はっきり涼しい風が来る」という声。マーケティング文句というより、物理的に当然の結果に近いと思います。
ふたつ目は駆動時間。4,800mAhといえば、そこそこのモバイルバッテリー半分ぶんの容量です。
ここで少し電卓を叩いてみます。最弱モードの22時間を1日1時間(通勤の往復)で割ると、3週間ちょっと。もちろん現実には中間の段階で使うので、その半分以下と見るのが妥当です。最強モードで回し続ければ3時間。
それでも結論は同じ。運動会や夏フェスのように充電できる場所がない1日をまるごと乗り切りたいとき、この余裕はきちんと値段ぶんの働きをします。

3つ目は、1台で2役こなすところ。たためばハンディファン、開けば卓上扇風機。オフィスのデスクに置いていたものを、そのまま持って出られます。
前モデルのレビューに「台座なしでそのまま持ち出せるのがいい」という声がありました。スタンドが本体に一体化しているのは、思っているより大きな快適さなんですよね。
さらにもうひとつ。前面のガードが取り外せて水洗いできます。ワンシーズン使うと羽根にホコリが灰色に溜まるんです。ここを外せない製品は、翌年の夏にほぼ確実にニオイが出ます。2年目から差が出るポイントです。
気になる点も3つ。自分にとって致命的?
ひとつ目は騒音。BLDCモーターが同じ風量で有利なのは事実です。ただ羽根が大きければ、空気を押す音そのものが大きくなります。
前モデルのレビューには、1段階目から音が少し気になる、2段階以上だと電車の中で視線を感じるという話がありました。静かなオフィスや図書館で3段階以上で回すつもりなら、考え直したほうがいいです。
屋外では? 実質まったく問題になりません。
ふたつ目はかさばりと重さ。285gで縦26.1cm。スマホ2台ぶんの重さで、長さはタンブラー級です。
レビューでも「携帯用と言うには携帯性が低い」「バッグが大きくないと入らない」という指摘が繰り返し出てきます。手首に掛けて30分持ち歩くような製品では、たしかにありません。
バッグに入れて運び、席についたら立てて使う。そういう使い方なら十分許容範囲です。
3つ目はヒンジの耐久性がやや不安なこと。折りたたみ製品の宿命ですね。前モデルのレビューに「折れる部分のツメが壊れそうで心配」というコメントがありました。
実際の破損報告が多いわけではありません。それでも、スタンドを立てたままバッグに押し込むのはやめておきましょう。
最後にもうひとつだけ。新型なのでレビュー件数がまだ少ないです。評価が5点近くついていても、サンプル数が1桁の店もあります。星の数字だけ見て購入ボタンを押さないでください。
こんな人には合う、こんな人には合わない
- 屋外イベント・運動会・夏フェスなど、充電なしで1日を乗り切る必要がある人
- ベビーカーのハンドル横やレジャーシートの脇に立てて、子どもへ風を送りたい親
- デスク用の扇風機と外出用のハンディファンを別々に買いたくない人
- 旅先の宿でエアコンの風を部屋の奥へ押し出す補助ファンが欲しい人
- ミニファンの「顔の前だけ涼しい」風にすでに失望したことがある人
逆に、以下に当てはまるなら別の製品のほうがいいです。
- 小さいバッグしか持たず、26cmのものを入れる余裕がない人
- 手首や首に掛けて移動しながら使い続けたい人 — 285gは腕が疲れます
- 静かな室内で強風のまま長時間回すつもりの人
- すでにFAN PRO MAXを使っている人 — 5段階化だけでは買い替える理由が足りません
- 通勤が徒歩10分で、3,000円台のミニファンで十分な人

5,000円台か6,800円か。どこで買えば損をしない?
ここが一番実用的な話です。韓国メーカーの希望小売価格は61,900ウォン(約6,800円)。
ただ、この記事をまとめながら2026年7月末時点で確認したところ、実売価格は約5,500円前後まで下がっていました。価格は販売チャネルと時期でずっと動きます。数字そのものを覚える必要はありません。
覚えておくべきことはひとつだけ。同じ製品でも店によって1,000円以上の差がつくということ。日本では公式ストアと並行輸入で価格差が出やすいので、少なくとも2〜3か所は比較してから決済してください。並行輸入品は保証の扱いも変わるので、そこも合わせて確認を。
代替案も正直に書いておきます。携帯性を最優先するなら、同ブランドの小型ライン(ファン直径6cm前後)が2,000〜3,000円台であります。家でしか使わないなら、コード式のスタンド型サーキュレーターのほうが風量あたりの値段は圧倒的に安いです。
この製品の価値はちょうどその中間、「サーキュレーター級の風を外へ持ち出せること」にあります。その状況が自分の夏にないなら、5,500円を使う理由もありません。
逆にその状況があるなら、計算は単純です。毎年1,000円ちょっとのハンディファンを買って、失望して捨てる。それを5回繰り返せば、もうこの値段ですから。
よくある質問
本当に22時間も使えますか?
最弱風量での数値です。メーカー自身も最大22時間から最短3時間までの「幅」として案内しています。中間の段階で使うなら、そのあいだのどこかと考えてください。充電は約2時間30分かかります。
充電クレードルは標準で付いてきますか?
メーカー公式の同梱品表記は、本体・専用ハンドストラップ・C to Cケーブル・取扱説明書です。クレードルは販売チャネルやセット構成によって変わる可能性があります。購入前に商品ページの同梱品欄を必ず確認してください。前モデルFAN PRO MAX用のクレードルと互換だというユーザー報告はありますが、メーカーの公式確認ではありません。
飛行機の機内に持ち込めますか?
バッテリーは17.7Whなので、一般的に案内されている機内持ち込み基準(100Wh以下)には収まります。ただしリチウムバッテリー内蔵機器は、預け荷物ではなく機内持ち込みが原則です。細かい規定は航空会社ごとに違うので、出発前にJALやANAなど利用する航空会社の案内を一度確認してください。
子どもがいる家庭でも使えますか?
前面にガードがあり、外して水洗いもできます。ただしガードには隙間がある構造なので、ごく小さい子の指には注意が必要です。ベビーカーで使うなら、子どもの手が届かない距離に立てて風だけ送る使い方をおすすめします。
3色のうち、どれを選ぶのがいい?
クリームホワイト、ダスティグリーン、ダークグレー。性能差はありません。夏のあいだずっと手に持って歩くことを考えると、手アカが目立ちにくいダスティグリーンかダークグレーのほうが管理は楽です。
買う前に、ひとつだけ確認するなら
今日やることはひとつです。いつも使っているバッグを開けて、縦26cmのものが入る余地があるか目で確かめてください。タンブラーを1本立ててみれば答えが出ます。
入るなら、この製品は夏のあいだずっと値段ぶんの働きをします。入らないなら、どれだけ風がよくても8月のある日から引き出しで眠り始めます。
結局これは「風の強いハンディファン」ではなく「持ち出せる卓上扇風機」なんです。その一文が、いまの自分の夏に必要なものとして読めたなら、そのときに買っても遅くありません。